明らかに風邪な人に目の前で咳された時から嫌な予感はしてたんだ……。
見事に伝染されたっぽいです、悔しいなあ。
タルトが食べたいです。
痛い描写に胸が痛くなったりやるせなくなったりしつつも、
展開的には予想出来るラストに向けて流れていく話なんだろうな、と
思っていたのだけど。……最後のは予想出来なかったなあ、びっくりした。
田村由美さんが昔書いてた読みきり漫画と少しシチュエーションが似ていて、
その結末を思い浮かべてたから余計に想像出来なかったのかもしれない。
しかしこの映画が怖いなあと感じるのは、
最初の展開が展開だって言うのもあるんだろうけど、
人を殺した時の空洞感が自分の胸には残っていないだけに、
ただ悪人が「的」に見えてくること。
主人公が本当に苦悩している様子は演技の面からも分かるのに、
悪人役が銃殺されるとホッとするし、見逃されそうになると残念に思ってしまうようになる。
そういう意味では私も劇中の無責任なリスナーと同じで、
それ以上の境目を越えたリアリティは見つけられなかった。
必要以上に感情移入出来ないあたり、意図的な演出なのかな、ともちょっと思ってしまうなあ。
倫理に触れる台詞はいくつかありはしたけど、それぞれの立場に基づく言葉でしかなくて、
製作者側が伝えたい答えや主義主張は見受けられなかった気もするし。
悪人を悪人らしく書き過ぎている、という批評があったのだけど、
答えを出したくなかったし押し出したい主題もなかったからこそ主人公周り以外を
掘り下げることはしなかった、とも取れるんじゃないかなあ、とも少し思った。
殺そうとした、殺されそうになった、その瞬間には確かにそれしか見えないし、
第三者の立場からだって内面なんて見えるものではないものなあ、と。
視聴者の目からすれば一瞬しか見えない、その時の行動以上の背景は見せない、
ある意味被害者の視点から見せられてた物語、のような。
まあこれをこのまま受け取ると確かに殺人の重みは薄れてしまうのだろうけども!
悪人を掘り下げれば掘り下げただけ、悲劇にしかならない気もするんだよなあ。
あくまで問題提起以上のものにはしたくなかった話で、
善悪どちらだとも言えない曖昧さを書きたかったのかもしれないとも思った……んだけど。
実際どうなんだろうな。
「ソリはすべて停止し、いちばん先頭にはノルウェーの国旗がへんぽんとひるがえっていた。
旗はおのずからひらいて、さらさらとみごとにはためき、絹地が輝いていた。
清明な外気と、ぎらぎらとまぶしく白い世界に、それはすばらしい眺めであった。
ついに南緯八八度二三分を通過したのだった。
われわれは、どんな人間がきたことのあるところよりもさらに南にいたのである。
この探検旅行中、この時ほど感動したことはなかった。
あふれてくる涙をとめようもなかった。わたしの心をとらえたのは、そこにある旗であった。
さいわいわたしはほかの者よりいくらか前方にいたので、同僚達のところにいくまえに、
自制して、感情を落ち着かせるだけの時間があった。
われわれはみなたがいに手を握り合って祝福しあった。
われわれは団結することによってこんなに遠くにくることができたのだし、
またさらに遠く───目的地までいくのだ」
(『生と死の極限心理』中、「南極点征服」より)
この言葉を読めただけで正直価値があったと思いました。
全部見終わってもまだ言うくらいに大好きなんですよ!
単純なのに胸に迫ってくる言葉遣いのリアルさや、息の弾むような臨場感が。
現実の言葉に勝る厚みはないなあ。進行形の言葉だから余計に感情移入しちゃうのかな。
この人の視点を借りると、世界は凄く綺麗に見える。
そんなこんなで先日の本をようやく読み終わりました。
図書館に返す前にメモ。
大本は「生と死の境で生き残る人、命を落とす人」という本の改稿版だったようで、
こっちのタイトルの方が確かに分かり易いなと思いました。
知りたかったことがおおむね知れたし、触りたかったことも見えてきた気分で、
読んで良かったなというのが一番の感想。
本の序盤では、一部の人達が持っている恐怖を越えた勇気が書かれていて、
リアリティに拘るとここ最近はどうしても思い描けなくなりがちだった、
人の眩しさや高い志をもう一度創作軸に置くことが出来るようになって。
想定外の拾い物だったけど、それが一番の収穫だった。
まだまだどこかに信じられるし、信じたいものだな、と思えたのが嬉しい。
大半を見ればやっぱり人の心は柔くて痛み易い、ということも、
生還者の人の事後にも残ってしまう心傷や群集心理の面から理解も出来て、
少しまたリアルとフィクションの境目に悩みだしてもいるのだけど、
(強さと弱さのバランスとか、現実感と気持ちよさの比重だとか)
それでも、明るい面も影の面も人の中にあるものなら、
私自身はなるべく前者を表現していけるといいなと思う。
……ところで、守りたいものが出来てしまうと、
一部(守りたいもの)に対して以外は見識や行動幅が狭くなるし、
弱くもなってしまうなあと思っていたのだけど、
そういう状態からこそ出来る別の心の落ち着け方もあったのかもしれないな、と、
今更に思ったりもし始めた。満たされてるからこその落ち着き、だとか。
多分そういう方向の表現や心の移り方だってありだったんだろうな。
いつも一杯一杯だった自分を振り返って、色々若かったなとしみじみ。
本を読む速度が若い頃に比べて遅くなってきてるなーと思う近日。
集中力の問題かな。
ここ最近は、図書館から借りてきた「生と死の極限心理」という本を読んでいます。
いや、タイトルは物々しいけどそんなに怖い本でもないよ!
サバイバル意識の参考になればと思っていたのだけど予想外に面白い。
内容の方は、歴史上の事件や英雄的な人物のエピソードをいくつか取り上げて、
その人の言葉や心理を考察して、人が持つ生死観や可能性や、
追い詰められた時にどんな心理が働くのかを解説した本で。
何かを遂げた人、遂げられなかった人がその時どんなことを考えて動いてたのか、
掻い摘んで説明してくれるやり方が雑食の私にはたまらない。
心理学としてよりむしろ歴史上のエピソード紹介の意味で楽しんでしまってます。
専門の学者さんではなく、心理学の学者さんの目線をフィルターにした本の分、
裏側で何を考えていたのか、っていう、一番知りたいところに焦点を置いてあるのもいいな。
つまるところ知識の浅い私にもちゃんと読みやすい。
ようやく2/3くらいまで読み進めましたが、色々得るものも多い本でした。
少し視点が広くなった。
多分これ読まなかったら南極大陸の探検家さんになんて興味持たなかったと思うしなあ。
東方のテンションが上がるヴォーカル集(にこにこ)が、
やたらヘビーローテーションなここ最近です。なんだか凄い頭に残るんだもん……!
後はえっと、おお振りDVD最終巻の発売日。
初回特典のブックレットと基本のキホンに惹かれてまた買ってしまいました。
なんだかんだで買って良かったなあの気持ち。
声優さんのインタビュー見た後で本編を見るとやたらに感動してしまって。
西浦ーぜと監督達の声優さんたち、後は作画監督さんたちにインタビューの記事だったんだけど、
ほとんどの声優さんがキャラに性格が近い、と自分でおっしゃってたり、
人に言われるのだというのを見て。
性格って演技に滲むのかなとも思ったし、結局、自分が一番上手く出来るものっていうのは、
無理をしない自分の地の性格なんだろうな、という気持ちにもなりました。
おおふりは集める声優さんにも凄く拘ってオーディションをしたそうで、
つまりは沢山の中から、一番それらしい人を選んだってことなんだろうから、。
三橋と阿部は特に分かるけど、他の人たちも受け答え見てると、あー、って思えた。
ああしたいああなりたいこうやりたい、っていう理想は一杯あるし、
例えば瞬間的に言葉が浮かない、思考速度のゆっくりさは相変わらず悔しいものだし、
堂々と振舞える自分への自信だとか、人を見抜く目だとか鋭い言葉だとかには、
憧れたり、やっぱりいいなあ、って思ってもしまうんだけど。
私が私を突き詰めれば、それはそれでちゃんとした個性だし、
今手にあるものを鍛えるとするならそれが一番武器になるものだってことも、
分かる程度には大人になれてきました。
思考の瞬発力と言葉の分かり易さばかりは、やっぱ欲しいものだなあとも思うのだけどね!
なんかないかなあ、そういう鍛えるトレーニングみたいなの。
あと、今月のアフタヌーンはやばかったです。
ひぐち先生はもうなんか本当にひどくて格好いい人だなあ!
学ばされました、もー。
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