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長続きを目指す感想だとかの書き込み日記です。20080219に作成。
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Posted by - 2024.05.15,Wed
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Posted by セージ - 2010.05.20,Thu

五月末の死線が七月末まで延長になって、ややペースダウン中。
ゆっくりして良いよ!ということではなく、寧ろ戦況としては劣勢なので、
先に備えて枯渇分を備蓄状態。久し振りに図書館で借りてきた本を読んでいます。
ジャンルとしては全く関係ない歴史系列の本。
興味を持ち出したらキリがない分野なだけに、学生時代に読んでなかったことが悔しいなー。

そういえば、発売決定にテンションが上がりまくっていた
「天国に一番近い男」のDVDを一時断念しました。
近場のレンタルショップにビデオもあるし、他に欲しい物が色々とありすぎて……。
先々どうしても欲しかったらもう一回考えることにしよう。
取り急ぎは良さめの電子辞書が欲しい。
あ、あと、そろそろどこかにお出掛けしたい……!
すっかり日陰暮らしで鎖国民の気分です。

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Posted by セージ - 2010.05.01,Sat

「葦の穂綿」、「半夏生」、「冬霞」
の短編三本を収録。
内二本は恋愛も含まれてはいるものの、
共通して「罪」をテーマに取り上げた、少女漫画と言うより大人の漫画。
羅川さんの作品が一個でも性に合うなら、是非にとお勧めしたくなる話だった。

善も悪も救いも理不尽もあるのが、世の中にある当たり前さだと思う。
人を登場人物に扱う以上、そこをどう切り出すかは避けて通れない問題で、
リアリティを突き詰めるにせよ、敢えて楽観的に描くにせよ、
舵取りに真面目に取り組んでいる作品の場合、伝わってくる空気はやっぱり桁違いになる。
これはそういう話で、この人の漫画じゃないときっと伝わらなかっただろうなという作品。
どちらかといえばマイノリティに属する部分だったり、社会の端側にいる主要人物ばかりの話なのだけど、
敢えてその属する部分そのものにではなく、そこに居る個人にしかライトが当たっていないので、
こちらとしても単純な個人で話を受け入れることが出来た。

短編三つ、答えは各々だけど、一つとして「罪」そのものが帳消しにされている話はない。
実際のところ、誰もがこんなに強く居られるわけではないと思う。
人の中で生きる以上は傷をつけられていく筈だし、
どんなにその場で足掻き抜いたところで、完全に確定した時間なんかは作り出せる訳じゃない。
罪や罰の定義も本当の意味ではその場に関わった人間しか出せるものではないし。
でも、少なくともこの作家さんはそれを願うだけの力があるからこんな話が書けたんだろうなと思うし、
真摯にそれを主張してくれるこの人の声が、だから私はとても好き。
こんなに自然に影と救いを両立させてる作品は、あまりお目にかかった記憶がない。
三本とも全部好きだけど、「葦の穂綿」はかなり異質な空気感。
これこそ書いてもらったことに一番意味のあった話だと思う。
あと、やっぱり最後に「冬霞」があるお陰で安定感を貰えたようにも感じるので、
この構成は正直有難かった。やっぱり一番好きな話もこれだしな。


立ち上がることが出来れば世界は変えられる、という実感まではある。
でも社会の作りそのものがそう優しくないこと、弱い立場は辛くて苦しいというのも本当のことで。
降りかかる理不尽や不運は、やり過ごすか捻じ伏せるという向き合い方以外は知らなかったし、
結局のところは自分が変わる、闘う、という選択肢しか最後には無いように感じてしょうがなかった。
でも、この話を読んで初めて、闘わなくても良いのか、と思えた。
感じたものを形容するのはとても難しいけど、一歩目を貰えた気分になったとでもいうのかな。
そういう意味でも凄く胸に来るものがあって、手に取って良かった本だったと思う。

 

Posted by セージ - 2010.04.08,Thu

ひとまず軽い近況。
四月末までが第一デッド、五月中が最終デッドゾーンな感じです。
特に四月はハーデストモードなデンジャラスっぷり。
この苦しみは全部自分の未熟さでしかないので、せめて根性くらいは身につけたいな。
終わったらやりたいことも読みたい本も沢山あるしなー。大神とP3Pもやりたい。
あと会計ソフト、と自己メモ。こんな時に日記をつける逃避。

 
近日のところで読んだのは、野島信司の「スヌスムムリクの恋人」。
帰省していた妹が先に読んで、面白かった!としきりに言うので一晩で読了。
ただ彼女と私の感覚は大分違っていたらしく、面白いと思う部分は上手く語り合えませんでした。
仲はいいけど、物の見方がプラスとマイナスくらい違う姉妹なので。
妹は役者を見る派、私はシナリオを見る派。

話自体は、最初に想像したストーリー展開と違ってちょっとビックリした。
でもところどころがもう納得の野島信司。
愛の無い女性関係の多さとか、演説シーンの下りとか凄くそれらしい。
野島作品の恋愛劇は、恋でも愛でもなく『出遭い』ってイメージがあるのだけど、
この恋愛模様は本当にそんな形が突き詰まった印象のお話。
特に、ラストの告白シーンの流れがそのあたり物凄く象徴してるように思った。

「人は前向きに生きた方がいいと言うね。クヨクヨしないでって」
「だけど、僕はそうは思わない」
「僕は一見ネガティブに聞こえるSには、人間の良心が集約されてると感じるんだ」
「いつかは全てが許される時が来る。その時、彼方に大きな虹がかかる」
(P334.抜粋)

内罰、っていうのは難しい。
自分の内側を見る行為は、目の前に居る他人を見ないという行為でもあって、
その間にまた人を傷つける罪を犯しかねない進行形の矛盾がある。
やり方や加減を間違えると他人を生贄にさえしかねないのが自罰。
主人公の「八方美人」な性格は、相手に譲れる余地が多かったからだと話中で言われていたけど、
そのへんを掘り進めると、譲れないモラルは実は相当大きく心を占めてたんじゃないかと思った。
内罰意識と傷を愛する気持ちの兼ね合いって、決定的な罪を犯さないこと、
誰にも踏み込まないことに帰着すると思うんだよね。
しかし、響く言葉を沢山持ってるこの人はやっぱり上手いよなあと思う。発想がほんと詩人的。
この人の話に内罰的な作品が多いのはこの辺の価値観から来てるのかな、とも感じた。

色んな同性間の友情や異性間の友情、生き方の鬩ぎ合いのほうが主題らしくて、
個人的には恋愛劇よりも友情劇のほうが興味深かった。
ハッキリした友情物!ではなくて、個々の色が雑多にマーブルしてるような話。
性差は埋めようがないものだけど、こう見事に男女の違いをスッパリ書かれてしまうと、
男だから女だからと言わずお互いのメンタルくらいはちゃんと理解したくなるな。
とは言うものの、最後の告白シーンの一連の締め方だけは潔くて好き。
人に勧めるにはかなり悩むけど、なんだかんだで楽しめた本だった。



「僕も幸せになりたい」
「私も幸せになりたい」


スヌスムムリクの恋人/野島信司
 

Posted by セージ - 2010.03.22,Mon

なんとも不思議な読後感。
こんなにスッキリした終わり方で良いんだろうかというくらい、
嫌な後味が残らない物語だった。
サバイバーの物語としては少し異質な印象。だけど納得が来る。
辛い話なのにそれでも読んで良かったと思わされるバランス感覚に何より感心した。

話の中で語られている「神の視点」にまでは至らないけれど、
断罪しきれない、正しさという武器を外に向けて持つことが出来ない少女の視点は、
結局のところそれに近い中立性を持たされてしまうような気がする。
冒頭の予告で痛みが緩和されていた点もあるとはいえ、
特定の人物に対する憎悪が胸に残らなかったのは、
何よりも主人公たちの視点に影響されてのことだと感じたので。

父親の敵にならない自分の味方という矛盾した存在を、
自分と同じ世界にいる子供に求めるしかなかった裏腹さだとか、
当たり前に貰えない気持ちをあえて欲しがる代償行動の心理だとか。
言葉の端々には嘘に包んだSOSが滲んでいるし、
本人たちがそれに気付いていないからこそ、その気持ちには生々しさと悲しさがある。
誰の目に視点を置くかという一点で、この話の印象はかなり様変わりするんじゃないかな。
200Pの短編が、こんなにしっかり気持ちに根付くとは思わなかった。


「ほんとはね、ほんとの友達を探しにきたの。大事な友達。ぼくのためにすげーがんばってくれるいい感じの友達。そいつがみつからないと、海の藻屑になっちゃうの」

「好きって、絶望だよね」

砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない/桜庭一樹

 

Posted by セージ - 2010.03.09,Tue

CROSS†CHANNEL(PSP版)を特典CDに釣られて購入。
数年ぶりの再プレイだったけど、やっぱりこの話は良いな。
コンシューマ化の規制部分もキャラクターらしくアレンジしてあって、
元々躁狂的なものだから、違和感なく面白すぎた。

数年前、視界をかっ広げられたような気持ちになったゲームだったんだけど、
今やり直してみると当時はよく分からなかったことが
たくさん理解出来るようになっていて、それに少し驚いた。
昔は苦手だったノリもすんなり飲み込めるようになってたんだよな、不思議。
セクハラが規制でセーブされてたことも理由の一つなんだろうか。

分かり易い話の牽引役としては、舞台はもちろん、主役が何より異質過ぎる。
分からせるために言葉を噛み砕いてもいないし(⇔新解さん)、
共感や同調を求めた振る舞いをしているようにも思えなくて、
そういう意味合いで、確かに人を選ぶ話だと思う。
普通に憧れる、っていうキャラの言葉通り、
健全な精神ではあまり受け付けられない類の話なんだろうし。
(この辺、妹が「ヤサシイワタシ」を受け付けなかったようなものだ思う)
喩えるならこれは、電波みたいな話なんじゃないかな。
琴線に触れるものがあればその部分が反応することが出来る。
でも、話自体に直に情緒を育てられるような優しいストーリーテリングじゃない。
むしろ、額面どおりに話を捉えると、受け取れるものは
随分と陳腐なものになってしまうような気さえする。

このあたり、まさに本編で言われている通りの理由でなんじゃないだろうか。
他人に自分の心を仮託するな、って。
その主張から見ると、明確な分かり易い物語にすることは間違っているし、
必要以上の追体験や感情移入を抑制してる(主役が)節もある。
その上で人に言葉を届けようとしているこの話自体の微妙な距離感覚が、
至極お話としてそれらしいように感じるんだよなあ。
元々、考察的なものを考えるのは苦手だし、
あまりじっくりやりこむ時間もなかったので、軽い感想に留めつつ。

ただ、グローブ・ジャングルで感じたモヤモヤへの返球になりそうなのは、
この話の主張なのかもしれないな、と思った。
 

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