フリーランスで働くのに届出が必要だとは知らなかった……。
学校で習ってたっけなあ、大学で教える分野なのだろうか。
そんなわけで、確定申告の季節。
昨年は働きながらの兼業状態だったので、雑収入での追加申告のみ。
今年も同じように軽く終わるものだろうと思い込んでいたら、いやとんでもなかった。
去年よりも明らかに多い経費を計上しようとして、作成ページの前で立ち止まる。
経費を書く場所をさっぱり覚えてない。仕方ない、HPを検索かけてみよう。
経費の内訳を軽く書き込んだ収支内訳書を添付する……
あれ、収支内訳書ってなんだろう。そんなの去年つけてなかったよ?
ん、収入は事業の項目に書くの……?
別に営業職でもないのに、勝手に事業欄に書いちゃっていいのかな?
などなど、昨年より明らかに増えていく疑問、疑問、etc。
というか、今になってよく考えると、大して調べもしないまま納税が済んだ
昨年がよっぽど奇跡的だったんだよ!
そして行き着いた文言。
"フリーランスで働く方は、事業を始めてから開業後一ヶ月以内に
『開業届の提出が必要』です。
自営業のみに関わらず、フリーのデザイナー、プログラマーなど、
収入を得る仕事は全般的に対象となり……。"
うわああ何それ全然知らなかった、ごめんなさい!!
などと泡を食う羽目になり、結局、一日がかりでホームページを回ってしまいました。
ネット社会万歳。ニュースブログ有難い。
SOHOありがとう。個人HP主様本当にありがとう。
で、色々調べてみたところ。
会社で働きながらの追加収入なら雑収入で問題ないのだけど、
会社に所属せずに個人のやり取りのみで収入を得ていく場合には、
税務署に「開業届」を提出しに行くことが必要。
この届けは、会社(法人)を立ち上げました!ではなくて、
事業(お店)始めます!くらいの申請なので、出資金等は一切必要なし。
これは、税務署側が納税者をちゃんと把握するためであるのだそうで。
私は昨年途中退職をしたため、年末調整の関係で確定申告のお知らせが
届いてくれたのだけど、本当は仕事を始めた秋の時点で提出しないとNGだったということ。
もっとも、出し忘れてても法律的なペナルティはつかないそうなのでちょっと安心。
案外知らない人が多いからなのかもしれないな……。
ちなみに、雑収入よりもたくさん費用が計上できるようになるので、
赤字対策のためにサラリーマンしながら開業届を出してるような人もいるそうな。
ただ会社に見つかる可能性高いので、副業禁止なら止めた方が無難みたい。
個人事業主(提出後)になると、会社所属時と変わることが色々とある。
覚えてきた知識をにわかに書いてしまうと、
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■サラリーマン
・給料の1/3が経費の取り分として自動的に課税対象外になる
・それ以上の経費計上は不可
全給与-給与/3(経費として自動的に控除)=所得
所得-基礎控除やその他控除=課税所得(税金のかかる所得)←所得税と住民税
が会社勤めの人が自動的にされてる税金徴収。
最終的な全所得を会社が計算して、
払いすぎてる源泉徴収(年間通して歩合で払ってる税金)
が戻ってきたりするのが年末調整。という仕組み。
追加で雑収入(経費抜いて20万円以上)を申告する場合は、
雑収入に対しての経費は多少認められるので、
所得+雑収入(-雑収入の経費)-控除類=課税所得、となる感じ。
■個人事業者
・経費計上に上限はない。
ただし領収書はちゃんと保存しまくること。
経費については、白色申告の場合は収支内訳書の添付が申告時に必要。
また、青色申告(事前申請)の場合はカッチリした帳簿の作成と提出が必要。
・所得が年290万円(事業主控除)を超える場合、業種次第でさらに事業税を取られる。
文筆業、漫画家、など、課税対象事業に当てはまらない業種の場合は対象外。
『デザイナー』は第三種に該当するので5%。
・売り上げがここから超行くとさらにその上に消費税もかかるけどそれは雲の上の話。
全収入-経費=所得←ここが290万円以上なら事業税
所得-基礎控除やその他控除=課税所得←これに所得税と住民税
経費や所得によって、税金がかかる歩合が増えるのが個人事業者。
多少のメリットとして、
経費を自分で申請できる(判断できる)点はあるものの……以下、後述。
個人で会社と取引した場合は(原稿料など)、
大抵会社側が源泉徴収として1割をガッと抜いて支払ってくれてるので、
確定申告すればむしろ返って来るケースが多い、らしい。
あと申告時には、会社さんから源泉徴収票を頂いて添付する必要アリです。
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た、多分間違ってないと思うんだけど……!
そんなわけで、基本的には個人事業主よりサラリーマンの方が、
納税額はかなり少なく済んでいる。
個人経費扱いの3割って結構凄い金額だし、事業税もかからないし。
(基本。さっき書いた兼業とかはややこしくなるのでさておく)
同じ600万円の収入だとすると納税額が20万円くらい変わる、とかいう話だったかな……。
自営業が運営は大変ってそういうことなんだなあ、と納得。
年金の形態といい、日本はサラリーマンの方が税については
優遇される傾向の国らしい。
なのでサラリーマンの人と同じように税率を抑えるためには、
経費をきちんと取っておいて売上を高くしすぎないようにしたり、
あるいは簡単な白色申告から青色申告に切り替えて帳簿を用意するのが
手段になるのだそうで。(青色だと控除額が手間の分増える)
フリーランスって自由業だと思いこんでたけど、こうやって納税について調べてみると、
自分が事業者になるってことなんだなと思い知らされる。
気付くのが遅かったかなー、でも凄いハッとさせられてしまった。
今まで漂ってた生活が、具体的に目の前に数値化されたような気持ち。
あと私は、学校は商業高校、科目は情報系という半端どころの出身なので、
学生時代に習ってたあの面倒くさい簿記はこういうところで役に立つのか……と
今さら感心もしてしまった。経理の人や領収書って、だから会社に必要なのね。
ちなみに、~万円以上は経費になりませんよ!とか~万円以下に収めてね!とか
会社が言うのは、一定金額を越えた購入費用は、その年だけの経費(消耗品費)として扱えず、
金額÷耐用年数(パソコンなら4年)=一年分の経費として、
数年に分けて計上していかないといけなくなるから。(減価償却費(固定資産)と呼ぶ)
色々理由があるんだなー。
ひとまず、去年の分は雑収入で書類を作ってみたけど、
今年からはきちんと届けを出して帳簿をつけようかなと思いました。
気持ちが引き締まったり、お金にちょっとはシビアになれそうな気がするし。
分からないところはまた税務署にちゃんと聞いてこよう。
フリーランスって最初に届出しないといけないんだよ!ということに
本当にビックリしたので、俄かながらに纏めてみた日記でした。
きちんと店を建てたり事務所を構えたりしない業種の場合、
さりげない落とし穴のような気がする。
間違いがあるかもしれないので、実際にフリーになる時には本を読んで下さいね!
※3/8
税務署行ってきました。
本当は昨年分から事業で申告して貰った方が良かった、と仰りつつも
リテイク出されなかったことに優しみを感じました。 税務署優しい。
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